手元には

W.テレンス ゴードン「マクルーハン」、宮澤淳一訳、ちくま学芸文庫、2001年服部桂「メディアの予言者―マクルーハン再発見」廣済堂出版、2001年しかないので、W.テレンス ゴードンのほうはマンガだしもう読んだので、服部桂のほうを読んでみました。これも早かったです。たぶん、マクルーハン理論を支えに「インターネット社会」について考えたかったんだろうから、書きたかったのは第三章だと思うけど、でも、マクルーハンが個々のメディアじゃなくてメディアなるもののメカニズムのようなものを解明しようとしていたことくらいは分かるし(かなり「文芸批評」的で「哲学」的な独特な「メディア」という言葉の使用法だと思うけど。)、僕が知らなかった、「最近のネット事情」に関する目新しい情報があるわけでもなかったので、僕にとっては、第一章と第二章のマクルーハン理論の大雑把なまとめとマクルーハンの(バイオロジカルな)紹介のほうが参考になりました。「参考書」として使うには僕には弱過ぎるけど、ネットで社会が変わる、とかいう軽薄な言い草は事実でしかないと思うので、こういう試みは色々なところで行われていたら良いんだろうなあ、と他人事のように思いました。僕は誰かが「予言者」だったかどうかには興味がないし、まだ、ネット社会の変容について深く考えたいわけではないので。

マクルーハン (ちくま学芸文庫)

マクルーハン (ちくま学芸文庫)