Leviathan

を読み終えました。
 僕もこの人の「知的なアプローチ」のファンに過ぎないのだけど、松岡正剛のように、主人公と作家の共犯関係に惹かれているというよりも(まあ、それも分かるのだけど)、ストーリーのディティルに惹かれているんだと思います。なので、何冊か邦訳を読んだ後、今後は(ろりんぐすとんずのように、死ぬまでに全部)paperbookで読もう、と思いました。
 アメリカに行く前からこれを読んでいて、僕はここ半年のことよりもアメリカに行く前のことのほうが鮮明な記憶として残っているので、話はまだだいたい覚えていたし、その頃に読んだ場所とか状況とか(城陽の家とか和歌山近代美術館のレストランとか飛行機の中とか)読んでいた気分も覚えているのだけど、感情移入する対象が、主人公じゃなくてSachsに変わってました。記述する主体じゃなくて、記述される側に感情移入していたみたいです。これくらいシンプルな文章を書けるのだから、かなり頭が良い作家だと思います。
 とても陽気で魅力的なSachsがどんな風に破滅していったかをディティルの詳しい文章とエピソードで描いているのだけど、ターニング・ポイントはSachsが死にかけた事件で、そこで初めてタイトルが言及されるのだけど、普通に、トマス・ホッブスの読み方が変わる気がします。タイトルは二回しか言及されなかったけど。で、読んだこと無いけど。Mariaが二人出てくるので、少し混乱しました。

Leviathan

Leviathan